交通事故

交通事故により後遺障害が残りましたが,減収がありません。この場合,逸失利益は認められないのでしょうか。

 交通事故により後遺障害が残った場合,逸失利益が認められるか否か,認められるとしてその額はいくらかといった点は,労働能力低下の程度,収入の変化,将来の昇進・転職・失業等の可能性,日常生活上の不便等を総合考慮して判断されます。
 したがって,減収がないから逸失利益が一切認められないということはありません。
 しかし,加害者側保険会社は「減収がないから逸失利益は(ほとんど)ない」と主張して,逸失利益を(ほとんど)認めないことがよくあります。
 この場合,被害者としては,減収がない理由が被害者本人の特別な努力によるものであることや,減収がなくても労働能力は低下していること等,証拠に基づき反論しなければなりません。
 その際には,過去の裁判例のなかから同じような事例(年齢,性別,後遺障害の等級,傷害部位,職務内容,年収等)の裁判例を数多く探してくることが重要です。
 なお,当事務所が受任した過去の案件では,保険会社が当初提示していた金額の数倍の逸失利益が認められた例もあります。保険会社の主張に納得がいかない場合は,弁護士に相談することをおすすめします。

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