敷金返還請求が認められた事例
事案
賃貸物件を退去する際、管理会社から敷金の返還を受けたが、その金額が不当に低かったため、適正な敷金の返還を求めて訴訟を提起した事案です。
経過
管理会社から敷金の精算書が送られてきた場合、必ずしもそれが適正な金額となっているとは限りません。
まず、敷金から差し引かれた費用としてどのような項目があるのかを精査し、不当に差し引かれているものがないかを確認する必要があります。居住物件の場合、通常の使用によって生じる損耗については、借主の原状回復義務には含まれず、家主が費用を持たなければなりません。
本件では、管理会社から送られてきた見積書を確認したところ、このような通常損耗についても原状回復費用として敷金から差し引かれていました。
そこで、敷金のうち不当に差し引かれた部分の返還を求める内容証明郵便を送りましたが、管理会社が全く交渉に応じる姿勢がなかったため、やむなく敷金の返還を求めて裁判所に訴訟を提起しました。裁判所では、原状回復義務をどちらが負うのかについての過去の判例に従って和解勧告がなされたため、無事適正な敷金の返還を受けることができました。
逆に、家主側から、敷金返還を求める内容証明が届いたのだが要求通りに全額返還した方が良いか、という相談を受けることも多いです。しかし、その敷金返還請求の内容が適正かどうかをきちんと確認し、返還すべきでない部分については毅然とした対応をする必要があります。
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